主訴
こんにちは。
今日は、24週(5ヶ月)になる妊婦さんが、殿部から左大腿外側にかけて痛みが出るということだってのでその症状と経過について報告させていただきます。
元々、腰痛もちで妊娠前からよく腰部(起立筋〜仙腸関節)かけて痛みが出ていたという事でした。また運動不足で妊娠前から運動はほとんどしていなかったそうです。
患者様情報
大府市在住、20代女性、妊娠24週(5ヶ月)、初産婦、デスクワーク
経過と施術内容
妊娠中は何かと不調の出やすい時期で、妊婦さんのほとんどが身体の不調を訴えているかと思います。
この患者さんも妊娠20週を超えたあたりから身体に不調が出てきて、現在は立ち上がりや歩行時に、仙腸関節から左の大腿外側にかけての痛みが出てきているとのことでした。
初回、お部屋にご案内する際に歩行動作を見たところ、体幹の側方動揺が大きくありました。また、妊婦さん特有の、姿勢(骨盤前傾位・腰椎前弯増強・胸椎後弯増強)が強く見られ、お腹が若干下に下がっている印象を受けました。
初回はより詳しく身体の検査をしたところ、元々の運動不足やデスクワークということもあり、一般的な妊婦さんよりも骨盤の前傾が強度で、且つホルモンの影響により靭帯が弛緩するため、周りの筋肉が筋緊張を起こし骨盤だけでなく脊柱の筋緊張も高度になっていました。ROM制限はもちろんのこと、これだけアウターマッスルの働きが強いと体幹のDFL(インナーマッスル)が使いきれなくなってしまいます。
仰臥位でも検査をしたところ、下肢からの連動性が骨盤周囲で途絶えていて、いかに骨盤帯の靭帯が緩んで支えきれていないことが確認できます。
今回の治療では、
下肢からの身体の連続性を出すために、まず連続性が途絶えている骨盤帯から頭部までのつながりをだし、アライメントを整えました。
妊婦さんなので、必ず起こる姿勢の変化に対して歪みをゼロにするのは困難ですが、ご来院時よりも正常に近づけることは可能です。そうすることで少しでも負担を軽減させ、痛みを和らげていくことができます。
次に、患者さん自身でインナーマッスルを使えるようにするための体操をやっていただき立ち上がりや歩行時に出てくる痛みを軽減させて行きます。
インナーマッスルの中でも特に大切になってくる筋肉(大腰筋・内転筋)にしっかりとアプローチすることでご自身が行う体操でも骨盤にかかる負担を多少減らすことができます。
ペインスケール10→7
1度の治療で痛みが軽減されました。妊婦さんなので赤ちゃんが変化していくにつれ不調も出やすいですが、マタニティ整体を定期的に行いケアをしていくことで負担を軽減することができ、また妊娠期から骨盤のケアをしておくことで安産に繋がります。
患者さんご自身には、ご自宅でも行ってもらえるよう体操の指導を細かくしました。また、お仕事もあり普段から座っていることが多いので座り方の指導もさせていただきました。
後日、1週間後にご来院いただきましたが痛みは軽減したとのことだったので、妊娠中でも骨盤のケアや身体を支えるための筋肉を鍛えることは大切なことだと患者さんにも実感していただくことができました。
現在も、2週間隔でご来院頂きマタニティ整体を行っています。
考察
今回の妊婦さんは、お仕事上による元々の不良姿勢や、運動不足による筋力低下があり、それらが妊娠中も大きく影響して、骨盤周囲に不調が出てきたのだと思います。
妊婦さんは、妊娠していない人と比べるとホルモンバランスの変化で不調が起きやすく、身体全体の靭帯も弛緩するため、その分筋肉に負担がかかってきます。負担が大きくなるほど痛みも出やすくまた症状も遷延することが考えられます。
出産〜産後最低でも3ヶ月まではホルモンバランスが大きく関わってくるので必ずしも痛みをゼロにできるとか限りませんが、痛みを軽減したり、負担を減らすことは可能ですので、現在妊婦さんでお悩みの症状がある方は一度当院をご来院ください。