主訴
今日は、日々頭痛で悩まされている患者様の経過をご報告させていただきます。
患者様は、デスクワーク業務で日頃からパソコン作業が多いそうです。1日あたり平均すると、8時間はパソコンを触っているとのことでした。
頭痛は後頭部に出ることがほとんどで、慢性的な肩こりもあるそうです。頸部の痛みはありませんが、肩甲間部に痛みを訴えることが多いとのことでした。
患者様情報
30代、女性、デスクワーク、パソコン
経過と施術内容
初診時、カウンセリング中の姿勢を見ていると、前傾姿勢が目立ちました。10年以上デスクワークを続けてきたということもあり、患者様自身も姿勢の乱れは気になっている様子でした。
お身体の検査をしていくと、アライメント不良(頭部前傾位、胸椎後弯、骨盤後傾)が見られ、またFHHも強く、アームラインの硬さがありました。頸部のROMは、伸展、回旋にて制限され痛みは誘発されませんでした。頭蓋の評価をしていくと、脳圧が高くなっていることがわかり顔面筋も筋緊張がありました。
また頭痛が起こるタイミングとしては、仕事中がメインで業務開始から2.3時間ほどで頭部の重だるさを感じ、徐々に後頭部に頭痛が出てくるとのことでした。パソコン作業中、頭痛に限らず肩甲間部に痛みが走ることも多いそうです。
今回行った治療は、
①頸部〜肩甲間部の筋緊張を取り除くための筋マッサージ
②骨盤〜脊柱にかけてのアライメント調整、及びアームラインの筋緊張緩和
③顔面筋の筋緊張緩和
④脳圧亢進による脳脊髄液の還流を調整
これらを行いました。
やはり頸部〜肩甲間部にかけての筋緊張が強く、血流が悪くなっている印象でした。また顔面筋(特に咬筋、側頭筋)も硬く痛みの出てくる原因の一つでもあると考えられます。
治療後は、頭の軽さや目の開き方、肩の軽さを実感していただきました。治療後の評価でも、頸部の伸展、回旋ROMの変化が見られ、治療前と比較すると、姿勢の変化も見られました。
初回の治療後、自宅でできる肩周りのエクササイズをお伝えしました。当院で行なっていただく治療で症状が良くなっていくことはもちろんですが、ご自宅でも体操をやっていただくことでより症状の早期改善が見込めます。この患者様もお伝えした体操をしっかりとやってくださいました。
2回目のご来院時、前回より楽になったとのことで、仕事中に頭痛は出るものの、症状がいつもよりか落ち着いていたそうです。
行なった治療は前回と同様、①〜④まで行いました。筋緊張は高いものの、頸部のROMに変化が見られ、可動域が上がっていました。また、前回よりかは、脳圧が低くなっていたため症状もいい方向に向かっていると言えます。ご自宅でのケアもできているそうで、より早期から身体に変化が出てきているのだと思います。
3〜6回目までは、週に1〜2回のペースでご通院頂き、治療はアライメント調整、及び頭蓋の調整をメインで行なっていきました。7回目のご来院時には、仕事中に頭痛が出ることがほとんどなくたったそうで現在は、頭痛に悩むことなく、以前より仕事に集中できるようになっています。ただ、元々あった頸部〜肩甲間部にかけての筋緊張が残っているため、仕事の後半にかけて、肩周りにだるさは出てくるとのことでした。
7回目以降は、頸部〜肩甲間部の筋緊張を取り除く筋マッサージとアライメント調整を中心的に行っていきました。また、7回目に姿勢の再評価をして、初回と比較すると(頭部前頭位・胸椎後弯・骨盤後傾)が軽減されていました。明らかに、姿勢の変化も見られ患者様ご本人もその変化を実感しておりました。
現在は、慢性的な肩こりはまだあるものの、一番の悩みであった仕事中の頭痛、肩甲間部の痛みで悩むことなく仕事に集中できているとのことでした。
患者さまの希望もあり、現在は隔週でメンテナンスにご来院頂いております。
考察
今回の患者様は、10年以上続けてきたデスクワークの影響もあり、姿勢の乱れと、パソコン作業による目の使いすぎで、顔面筋の筋緊張が大きく影響していたことがわかります。強い筋緊張が起こると、血流量が低下し、老廃物が滞るため肩こりや頭痛、目の疲れが起こりやすいです。
血流量が低下すると、症状も強く感じやすくなるため、気づかないうちに症状が悪化していることもあります。頭が重たいな、ドーンとした肩こりが続いているな、と思い当たる方は、早期からの治療でより早く改善していくので我慢せずに、治療院に訪れてみてください。