こんにちは。

今日は、椅子から立ち上がった際に、腰(左起立筋〜左殿部)に鋭い痛みが出た患者様をご紹介させていただきます。

患者様は、デスクワークで基本的には仕事中は休憩の時以外は座りっぱなしとのことでした。

豊明市在住、４０代、男性

デスクワーク、パソコン作業

初診時は、ぎっくり腰になった日から２日経過していたため、ある程度痛みは落ち着き、歩行動作に問題はない状態でした。疼痛動作は、座位からの立ち上がり、及び前屈にて誘発されました。

患者様によると、特に仕事中に椅子に座っていると痛みが強く出ることが多いそうで、職場で使用している椅子の種類も関係してくると思われます。現在、使用している椅子は、やや硬めで背もたれは固定されておらず、椅子と机のサイズが合っていないとのことでした。

お身体の詳しい検査をしていくと、頭部前傾位、骨盤後傾、胸椎後弯増強、FHH↑が見られました。約２０年間現在の会社に勤められており、椅子と机の環境にも問題があることが大きく考えられます。これにより、年々身体の歪みが出てきて、中でもより負担のかかった腰に痛みが出てきているといえます。

他にも、筋力の検査を行うと、左の内転筋、大腰筋、骨盤底筋の筋力低下が見られました。

また、腰の痛みだけでなく最近は胃もたれのような症状もあるそうで、お話をお伺いすると、食生活も乱れていることがわかりました。朝は、基本コーヒーのみ。昼食はコンビニで、夜ご飯は、スーパーでお惣菜とお酒を買って飲む生活が続いているとのことでした。

内臓疲労の影響も強い可能性があったので、内臓体制反射で身体の変化を見たところ、前屈動作の可動域が明らかに違いました。

この患者様は、普段お仕事されている姿勢がとても丸まっており不良姿勢になることから内臓が下垂していると考えられます。

上記のことから、行った治療は

①脊柱から骨盤に対しての筋肉を緩めるマッサージ、及びBMK整体

②インナーマッスルの筋力低下があったので筋賦活療法

③不良姿勢、及び内臓疲労があることから内臓調整

 これらの調整を行った結果、ペインスケール10→6

この患者様は、アライメント不良によって出た痛みはもちろんですが、内臓疲労の影響も強く、日々の姿勢や食生活の積み重ねから今回のようなぎっくり腰になったとも言えます。

痛みと動きは最初の痛みと比べると、軽減していたため今後の再発防止も視野に入れて、生活習慣の指導もさせていただきました。(3日分の食事管理シート)

また、職場での椅子の座り方や職場でできる簡単なエクササイズをお伝えしました。

２回目のご来院時には、治療後の良い状態がキープできていて、食事管理シートも記入していただきました。やはり、コンビニやスーパーの糖質メインの食事で栄養状態が偏っていることが気になりました。糖質を過剰に摂取することによって、身体の中の細胞が刺々しい形になることから、体にも炎症反応が起きやすいと言われています。糖質は多いが、身体の構成成分でも高い割合を占めるタンパク質の栄養が全く足りていないこともわかり、治療と同時に食事改善もしていきました。

３回目、１週間後にご来院いただき、痛みは初回から比べるとペインスケール１０→３と随分と良い状態になてきていると言えます。食事に関しても、改善傾向にあり、コンビニ食は変わりないものの、タンパク質食材を重視して選ぶようにしていただき、無理のない範囲で続けていただく形になりました。

痛みは５回目のご来院時にほぼ消失し、可動域にも問題はなく順調に改善させていきました。

引き続き、栄養指導をさせていただき食生活にも変化が出てきました。今まで、糖質が主だった生活から基本的にはタンパク質食材を選ぶようになり、ストレスなく続けることができているとのことでした。

体質改善には、半年〜年単位でかかってきます。過度に無理な改善を見込んでも長くは続きません。ストレスなく長く続けられるものを一緒に探して自分に合ったものを見つけていく必要があります。

この患者様は現在身体に大きな不調はなく、メンテナンス及び体質改善を目的として月に１度ご来院いただいています。

今回の患者様は、アライメント不良や筋力低下だけではなく、食生活の偏りから内臓疲労が起こり、それが大きく影響し、ぎっくり腰になったと言えます。

痛みの症状だけをお伺いすると、アライメントや筋力だけに影響がありそうですが、生活習慣などを深掘りしていくことで新たな発見もあります。

今回のぎっくり腰をきっかけに、患者様はメンテナンスでアライメント調整、インナーマッスルの強化、及び食事改善に努めていくとおっしゃっておりました。