猫背と肥満の関係
肥満は、数々の生活習慣病の引き金となり、見た目的にもだらしない印象を持たれることが多いです。
世界的に見ると、日本人はやせ型の人が多い傾向にありますが、近年食生活の欧米化や生活習慣の変化によって日本人にも肥満に悩む人が増えてきています。
肥満かどうかを測る指標のひとつとしてBMI指数があります。
体重を身長の二乗で割った数字が、25を超えると肥満という判断がされます。
ある調査によると肥満人口の割合は、女性が約19%、男性が約29%というデータがあります。
しかし、「自分のことを太っていると思うか?」という質問に対しては、男女平均して約60%もの人が「太っている」「痩せなければいけないと思う」と答えています。
これは「痩せているほうが良い」という思い込みからきている部分もありますが、姿勢が見た目に悪影響を及ぼしていることも関係しています。
特に、現代人に増えている猫背は暗く、だらしない見た目に見えてしまう上に、肥満の原因にもなり得るのです。
肥満解消のためにできること
①食べ方を工夫する
肥満と最も深くかかわっているのは「食事」ですよね。
食べる物の内容ももちろん大切ですが、食事の仕方も太りやすい体質を作る原因になることがあります。
食事の仕方に関して工夫できるポイントを以下にご紹介します。
三食しっかりと食べる
ダイエットをしている人は、不規則に食事を抜いたりすることが多いです。
「食べなければ痩せるだろう」という考えから、食事の全体量を減らそうとしているのかもしれませんが、これは逆効果です。
確かに短期的に見ると、食事を抜くことによって全体のカロリー摂取量が減って体重は減ります。
しかし、食事を抜く生活を続けていると人間の体は、飢餓の危険を感じて脂肪を貯蓄するように体を変化させていきます。
その結果、脂肪をためやすい体質になり、食事を我慢することでストレスが溜まって余計に太りやすくなります。
よく噛んで食べる
人間の脳は、食べ始めて20分経つと満腹中枢が刺激されて、満腹感を感じるようになります。
この満腹中枢をうまく利用することができれば、食べ過ぎを予防することができます。
早食いの人は、短時間で一気に食事をするので満腹中枢が作用する前に大量のカロリーを摂取してしまうのです。
これを防ぐためには、よく噛んでゆっくり食事をすることが大切です。
ゆっくり食べて満腹感を得ることはもちろん、しっかりと噛むことは胃腸への負担を減らして消化を助けます。
さらに、咀嚼という行為には脳内物質であるセロトニンの分泌を促して、満足感を与える効果もあります。
②基礎代謝を上げる
基礎代謝とは、特別な運動や動作をしなくても自然に消費されるカロリーのことを指します。
一日に消費する総カロリーの中で6割以上を占める基礎代謝が上がれば、無理なダイエットをしなくてもカロリーを消費しやすい体になるのです。
基礎代謝は、年齢が上がるほど低下していきます。
また、男性よりも女性の方が脂肪を減らすことが難しく、筋肉量も少ないことから基礎代謝は低くなりがちです。
基礎代謝を上げるためには、有酸素運動と無酸素運動を取り入れることが大切です。
ジョギングや水泳などに代表される有酸素運動は、体内に酸素を取りこんで細胞を活性化させてくれます。
加えて無酸素運動で、筋肉量を増やすことができればさらに基礎代謝をアップさせることが可能です。
③専門家に相談する
肥満に悩む人が増加したこともあり、医療機関でも肥満解消のためのアドバイスを受けることができるようになってきました。
これは「肥満外来」と言い、メタボリックシンドロームが問題になっていることもあって近年取り入れる医療機関が増えています。
コレステロール値や中性脂肪の値、体脂肪率や体型などから判断してその人に合った肥満解消のためのプログラムが設定されます。
肥満となっている根本的な生活習慣の改善から行われるため、リバウンドしにくく、健康的に太りにくい体を作ることができます。
④食事内容を見直す
「運動しているのになかなか体脂肪率が減らない…」「お腹の内臓脂肪が取れない…」という人は、食事内容を見直す必要があります。
脂肪や糖質が多い食事を続けていると、体に悪玉コレステロールが溜まり、痩せにくくなります。
また、コンビニのお菓子やジャンクフードを間食で摂る人もカロリーの過剰摂取で肥満体型になる確率が高くなります。
特に、夕食は食べた後にカロリーをあまり消費しないので体に蓄積されやすいです。
体重より体型を重視して
肥満は健康を阻害し、さまざまな病気の引き金となります。
中高年のメタボリックシンドロームも問題になり、社会的にも肥満対策の重要性が叫ばれています。
一方で、体重を気にするあまり痩せすぎになっている女性が増加しています。
芸能人の体重と比較して「もっと痩せなくちゃ!」と思い込み、無理なダイエットで身体を壊してしまうケースも少なくありません。
体重はあくまで目安であり、適正体重を保つことが健康な体を維持するために重要なのです。
大切なのは体重よりも、体型です。
適度に筋肉と脂肪がつき、姿勢が整っていれば自然と健康的で美しい体型に見えます。
まずは体重よりも体型を意識して、悪い姿勢にならないように努めましょう。