肩こりが発症する年齢
多くの人が抱える悩みのひとつが肩こりですよね。
過剰なストレスやパソコン・スマートフォンの普及によって、年齢に関係なく肩こりに悩まされる人が増えています。
従来は中高年に多い症状と思われていた肩こりですが、今や小学生が辛い肩こりの症状で医療機関に通院しているケースも珍しくありません。
ある調査によると、「初めて肩こりを自覚したのが25歳以下の時だ。」という人が全体の半数近くに上ります。
このように、若い人にも増え続けている肩こりは、国民病と言っても過言ではありません。
また、肩こりは辛い症状ではあるものの、湿布やマッサージなどで一時的に症状を和らげることができるため、しっかりと治療をせずに症状をごまかして過ごしている人も多いです。
若い世代の肩こりは、回復力も高いので市販薬で症状を抑えるだけでやり過ごすことができます。
しかし、根本的な治療をせずに一時的に症状を抑えるだけだと、年齢を重ねてから重度の肩こりに悩まされることになります。
年齢を重ねてからの肩こりは治りも遅く、代謝も落ちていくので老廃物の排出も上手くできなくなるため症状が重くなりがちです。
若いうちから肩こりをケアすることが、将来的に肩こりの重傷化を防ぐことに繋がります。
若年層の肩こりの特徴
10代~30代で発症する肩こりには以下のような特徴があります。
食生活の乱れが発症原因のひとつ
若年層の肩こり発症には、生活習慣が深く関わっています。
夜更かしをすることが多かったり、食事の時間がバラバラだったり、ストレスの多い生活をしている人はそうでない人に比べて肩こりになる確率が高いのです。
特に、食生活の乱れは肩こりを悪化させる要因となりやすいです。
「どうして食生活が肩こりと関係しているの?」と思いますよね。
実は、胃の筋肉は身体の左側の筋肉と繋がっており、胃が不調になるとそれと繋がっている左肩もこりやすくなるのです。
脂っこい食事ばかり摂取したり、食事の時間が一定じゃなかったり、胃腸を冷やすことが多いと、胃に疲労が蓄積していきます。
この疲労が筋肉を通じて肩にまで広がり、結果として肩こりになってしまうのです。
運動不足
近年、若者の運動不足が問題になっていますが、運動不足は肩こりの悪化にも繋がっています。
上半身の血行不良や筋肉のこわばりがひどくなると、肩の痛みも増幅していきます。
運動には、血行を促進し筋肉の柔軟性を高める効果があります。
また、パソコンやスマートフォンの使用で知らず知らずのうちに肩に負荷がかかる姿勢を長時間続けています。
運動には、このような緊張をほぐす効果もあるため、運動不足になると筋肉の緊張状態がずっと続くことになり、肩こりが悪化しやすいのです。
睡眠不足
睡眠は身体の疲労を回復し、リラックスするために必要不可欠なものです。
若者は、就寝時刻が不規則になったり、仕事や学校の関係で睡眠不足に陥りがちです。
十分な睡眠時間が確保できていないと、筋肉の疲労を回復することができず、どんどん蓄積されていきます。
自律神経のバランスも乱れて、副交感神経が働かなくなり血管が収縮します。
それに加えて、細胞の修復に必要な酸素が十分に供給されなくなり、肩こりが治りにくくなります。
中高年の肩こりの特徴
基礎代謝の低下
基礎代謝は20歳ごろをピークに、少しずつ低下していきます。
基礎代謝は、運動をするしないに関わらずエネルギーを消費するために備わった力です。
基礎代謝が高いと、余分な脂肪や老廃物を外に排出し、血行促進や筋肉量の維持をしてくれます。
加齢とともに基礎代謝が低下すると、血流の悪化によって筋肉が硬くなり、コリが発生しやすくなります。
さらに、細胞の栄養補給もスムーズに行われなくなり、関節や筋肉の弾力が落ちて首や肩の骨にかかる負荷が増大していきます。
更年期障害
多くの女性は40代を超えると、更年期を迎えます。
閉経が近づき、女性ホルモンが急激に減少することで身体にさまざまな変化が起こるのです。
中高年の女性に肩こりの患者さんが増える原因のひとつとして、更年期が関係しています。
急激なホルモンバランスの変化によって、自律神経が乱れて血流が悪化します。
血流が悪化した筋肉には、栄養がスムーズに送られず疲労物質も排出されにくいので、肩こりが発症しやすくなります。
骨格の歪み・変形
中高年になると、長年の姿勢のクセや歩き方、筋肉の衰えなどによって骨格の歪みが見られるようになります。
例えば鏡を見て首の骨が不自然に歪んでいたり、左右の肩の高さが違っている場合は骨格に変形が生じている可能性があります。
人間の体は、骨格が正常な状態の時が最も負担が少ないです。
骨格が変形していると、頭の重さを支える筋肉にも余計な負担がかかります。
さらに、加齢とともに筋肉自体も弱くなっていくので、より負担が大きくなり首や肩がこりやすくなるのです。
肩こりは症状が重くなると、頭や目、腕などにも影響を与えます。
少しでも気になる症状が出たら、自分だけで判断せず信頼できる医療機関に相談してみましょう。