慢性的な疲労感について
残業の日が続いたり、連日睡眠不足になっていると、慢性的な疲労感に襲われることがありますよね。
そうでなくても風邪をひいている時や頭痛がある時は、普段よりも疲れやすいと感じることが多いです。
一時的な疲労感であれば誰にでもあることですが、何日も続く場合は疲労が慢性化しているサインかもしれません。
「疲れることなんて誰にでもあるでしょ。」と考える人もいますが、疲労を放置するとさまざまな身体の不調につながります。
ある調査によると慢性的な疲労を感じている人は、疲労感の少ない人に比べてがんなどの生活習慣病になりやすいというデータもあります。
危険な疲労の兆候として、
・3ヶ月~半年以上疲労感が取れない
・風邪を引きやすくなった
・集中力が続かなくなった
・気分が落ち込むことが増えた
・何をしても楽しくない
・趣味や遊びに費やす時間が減った
・風邪ではないが喉の痛みや咳の症状がある
・心当たりのない筋肉痛が起こる
・寝つきが悪くなったもしくは就寝中に目覚めることが増えた
・記憶力が低下した
というような症状があります。
こういった症状に心当たりがある人は、いちど医療機関に相談に行きましょう。
疲労は体からの危険信号です。
この信号を無視すると、危険信号すら出なくなり、取り返しのつかない事態になり兼ねません。
疲労が蓄積している原因を明らかにして、それを取り除くことによって快適な生活ができるようになります。
猫背と疲れの関係
慢性的な疲労や体調不良を引き起こす一因となるのが「猫背」です。
猫背が疲れの原因となる理由には以下のようなものが挙げられます。
代謝が悪くなる
猫背は体が前傾姿勢になり、血管やリンパ管を圧迫して全身の代謝が下がります。
代謝が下がるということは、体内に蓄積している老廃物や筋肉の疲労物質が体の外に排出されにくくなるということです。
その結果として疲れが溜まりやすく、回復しにくい体になってしまうのです。
消化器官が不調になる
猫背で姿勢が前かがみになると、胃や腸などの消化器官が潰れやすくなります。
内臓が正常に働くための栄養が流れなくなり、便秘や下痢といった消化器官の不調が起きます。
また、首から背中にかけては曲がっているものの、下腹だけがポッコリ出た体型になりやすいです。
このような体勢になると、腹筋が伸ばされて筋力が弱くなります。
胃の中にあるものを腸に送り、腸の中の物を肛門まで移動させるためにはある程度の筋肉も必要です。
腹筋の力が弱くなると、便を外に押し出す力も低下し、結果として便秘になりやすくなります。
脳への負担
人間の動作や反応は、脳から信号が送られることで成り立っています。
脳は常に働き続けているため、たくさんの酸素を必要とします。
首の骨が正常なS字カーブを描いていれば、酸素は血流にのって脳に運ばれます。
しかし、猫背になると脳まで続く動脈が圧迫されて十分な酸素が脳まで送られなくなります。
猫背の進行具合によって個人差はあるものの、猫背になると平均して3分の1程度血流量が減少します。
これにより思考力や集中力、やる気が低下して疲労を感じやすくなるのです。
呼吸が浅くなる
猫背によって前傾姿勢になると、胸部が圧迫されて呼吸が浅くなります。
息を吸った際、空気を取り込む肺は胸郭に囲まれており、胸郭が膨らんだり収縮したりすることで呼吸が行われています。
猫背がひどくなると、胸郭が下向きになってしっかりと膨らまなくなります。
呼吸が浅くなると、一回一回の呼吸が短くなり、呼吸の回数が増えます。
人間は体内に酸素を取り込むことによって生命活動を維持しているのでさまざまな悪影響が出てきます。
なかでも、酸素不足による自律神経の乱れが引き起こす不調には注意が必要です。
自律神経が乱れると精神的にも不安定になり、うつ病になる恐れもあります。
さらに体が酸素不足になると、冷えや頭痛などをはじめとする様々な不調を引き起こす可能性があります。
疲労を回復するために
疲労を慢性化させないためには、「疲れているな…」「体調不良が続いているな。」と感じたときにしっかりと疲労を回復することが大切です。
いちばん大切なのは、休息をとることです。
疲れているにもかかわらず夜遅くまで起きていたり、休みの日も予定を詰め込んで余裕のない生活をしているといつの間にか精神的にも体力的にも疲労が蓄積していきます。
一日のうち短時間でも良いのでリフレッシュする時間を作り、心と体を休ませましょう。
また、ゆっくりと深呼吸をするだけでも気持ちを落ち着かせ、疲労を回復する効果が期待できます。
いちど自分の普段の呼吸を見直し、ゆっくりと息を吸って吐いてみましょう。
これだけで酸素が身体の末端まで行き渡り、老廃物の排出や血流不足を促してくれます。
猫背が原因で起きている慢性疲労は、姿勢を矯正することで症状を改善させることができます。
自分で確認するのが難しい場合は、他人に見てもらって自分が猫背になっているのかどうか調べてもらいましょう。
猫背や姿勢の矯正を専門に行っている医療機関で相談してみるのも一つの方法です。
猫背・姿勢矯正についての詳細はこちらをご覧ください。