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院長の須崎です。
骨粗しょう症とは
骨粗しょう症とは、骨の密度が低下しスカスカのスポンジのように脆くなる骨の病気です。
骨は一度できたものが一生身体の中に存在し続けるわけではなく、皮膚やその他の器官のように、新陳代謝を繰り返し新しい細胞へと生まれ変わっています。
しかし問題なのが血液中でのカルシウムが足りなくなってしまう点です。
カルシウム不足になってしまうと、自らの骨から補おうと溶かしてしまい、新しくできた骨が脆くなりその骨がまた溶かされてますます脆弱になっていきます。
特に女性の場合は閉経後のホルモンバランスの変化から、腸内でカルシウムを吸収する力が衰えていくため、より食事に気を付けていかなければならなくなります。
最近では無理なダイエットから栄養不足になり、閉経後の女性だけでなくあらゆる世代に骨粗しょう症が広まっています。
糖質を制限すると体重をコントロールするのにある一定の効果が得られるのは確かですが、他の栄養素まで削ってしまい健康を阻害してしまっては本末転倒です。
骨粗しょう症で腰痛を感じるのはどんな時?
一番多いと言われているのが椎体骨折です。
椎体骨折とは脊柱=背骨の骨折のことで、骨粗しょう症を患っていると、何かを持ち上げようとした時、くしゃみをした時、立ち上がろうとした時など普段の何気ない行動で骨折することが多いのが特徴です。
背骨の椎骨が潰れるように骨折するため、一時的に激しい痛みをともなったり、安静にしていても快方に向かわなかったり、治療や完治が長引く場合もあります。
椎体骨折をした時の骨折の痛みそのものに加え、その痛みを庇うように背中を曲げて生活するようになり、最終的に背骨が前傾して固まってしまうと、骨折以外に筋肉の疲労が加わり慢性的な腰痛を感じるようになります。
稀に骨粗しょう症ではなく、脊髄腫瘍(転移したガンの一種)が原因となっている骨折もあります。
骨粗しょう症による椎体骨折は70代以降に多い骨折ですが、病原性の骨折になると年齢は問いませんので、きちんと検査を受けるようにしましょう。
腰痛を発端とする疾患は多岐に渡り、肝臓の疲れでも腰痛を感じることがあります。
腰痛は治らないもの、一生付き合うものと思わずに、考えられる原因を解明していきましょう。
運動不足でも骨折しやすくなる?
骨粗しょう症は骨の密度だけの問題ではありません。
筋力やバランス機能が低下しても骨折しやすくなります。
寝たきりの人が急に立ち上がった時、骨折をして長期間ギプスをしていた人が急に動かした時など、骨の密度とは関係のない所でも骨折しやすい状態というのは作り出されるものです。
宇宙飛行士が地球に戻ってくると、骨粗しょう症の患者の約10倍の速さで骨が弱くなると実証されている理由と同じで、骨は適度な刺激が無ければ強く鍛錬されず弱い骨になります。
無重力状態が骨の新陳代謝を低下させ、骨の密度に大きな影響を与えるわけですね。
このように、強い骨を作るには適度な運動により筋力とバランスが損なわれていない肉体において、十分な栄養を摂取した上で骨へも適度な負荷をかけることが必要不可欠だということがおわかりいただけたのではないでしょうか。
本来であれば、骨粗しょう症になる前に健康な身体を維持できれば良いのですが、万が一骨粗しょう症から骨折に至るようなことがあった場合は、適切な治療とともに安静にしているだけではなくリハビリと適度な運動を始めていく方が再発の予防にも繋がります。
骨粗しょう症による腰痛改善のために
ただ闇雲に激しいランニングなどの運動を始めると、慣れないことにかえって腰痛を悪化させてしまうこともあります。
まずは、身体を慣らして正しい筋肉の使い方をマスターしていきましょう。
骨と筋肉は密接な関係があり、どちらも使われなくなると脳が必要ないと感じ、退化しても良いと判断することが骨粗しょう症と大きな関係があるもとがわかってきました。
そこで、各関節の可動域を広げそれに付随する腱や筋の緊張を解いておく。
そして適切な筋肉のトレーニングを重ねて筋肉量を増やすとともに骨密度をアップさせる。
有酸素運動を定期的に行うにはそれらの事前準備、つまりウオーミングアップをしておくことで、痛みや二次的な怪我を防ぐことに繋がります。
そしてどの年代にも言えることですが、食生活を見直して筋肉と骨の生成を手助けできるようなメニューを取り入れられると良いですね。
和食が見直されているのはまさにこの観点でも理にかなっていて、カルシウムの含有率や吸収率を考えると牛乳よりも切干大根や納豆、小松菜などを食べておけば問題なくクリアできる栄養素はたくさんあります。
またスムージーなどの栄養価という点から見れば豊富に見えるものでも、日本人の胃腸には刺激が強い欧米の習慣も入ってくる時代です。
体質に合わない素材を無理に取り入れようとせず、日本人に合った形で内面から身体づくりをサポートしていきましょう。