肩こりの症状とは
肩こりは年齢や性別に関係なく、多くの人が悩まされている症状のひとつです。
細かい作業を長時間行った後や何かに集中していた時、肩のこわばりや痛みを感じることはありませんか?
1つの筋肉に長時間負荷をかけ続けると、その筋肉に疲労物質が蓄積します。
健康な筋肉は、老廃物や疲労物質を代謝によってうまく輩出し、必要な栄養素を取り入れることで健康な状態を保っています。
しかし、筋肉に疲労が溜まると、筋肉が硬くなり血管が圧迫されて血液の流れが悪くなることで、疲労物質の排出が上手くできなくなります。
また、必要な栄養素を運ぶ力も弱くなるため、疲労物質が長時間同じ場所にあり続けることになり、痛みやこわばり、その他の症状に繋がっていくのです。
肩こりに伴う症状
肩こりの主な症状は、肩周辺の痛みや張り感ですが、それ以外にも肩こりに付随してさまざまな症状が現れます。
以下に肩こりと共発症することが多い症状についてご紹介します。
①頭痛・めまい
頭痛は、肩こりを日常的に感じている人にとても多い症状です。
肩こりがひどくなると同時に頭痛もひどくなるという人も多いのではないでしょうか?
肩こりが原因で頭痛が起こる理由は、
・血行不良
・筋肉の緊張
などが挙げられます。
脳が健康に働くために必要なのは、「酸素」と「ブドウ糖」です。
肩こりがひどくなると、酸素を運んでくれる血液も滞りがちになり、十分な酸素が脳に運ばれなくなります。
脳が酸欠状態になっていると、体からの危険信号として頭痛や吐き気などの症状が出てきます。
血行不良によって酸欠状態になっている場合、頭痛以外にも疲労感やめまい、強い眠気などに襲われることもあります。
また、筋肉の緊張が続くことが原因で頭痛が発症することもあります。
肩こりは長時間同じ姿勢を続けたときや、細かい作業を続けた時に起こりやすいですが、これは肩周辺の筋肉が緊張状態に置かれていたためです。
筋肉が緊張すると、血の巡りが悪くなり筋肉に疲労物資や老廃物が溜まります。
その物質が、神経を刺激することで頭が痛くなるのです。
②精神の不調
人間は、体のどこかに痛みや不快感があるととても不安になります。
一時的な痛みであれば不安も少しで済みますが、肩こりは慢性的な症状になることも多く、知らず知らずのうちに精神に負担をかけています。
そのため、疲れが溜まって肩こりがひどくなる夕方頃になると、イライラしたり集中力が続かなくなります。
さらに、首周辺は自律神経と密接に関わっているため、首にコリが発生すると自律神経が乱れます。
自律神経が乱れると、精神状態のコントロールをすることが難しくなり、不眠や情緒不安定などが続き、最終的にはうつ病になってしまうこともあります。
放置すると危険な症状
肩こりが原因で起こっている頭痛や精神不安定などは、肩こりを解消することで解決します。
しかし、なかには肩こりの症状のように見えて、命にかかわる危険な病気が隠れていることがあります。
我慢できないほどの激痛がある
肩こりの痛みの度合いは人によってさまざまです。
しかし、肩こりは重くのしかかるような鈍痛であることが多く、我慢できないほどの痛みが出ているのであれば危険な兆候です。
肩は肺や心臓に近いため、これらの臓器の不調を肩の痛みだと勘違いしている可能性もあります。
マッサージや湿布を使っても症状が緩和されず、日に日に痛みが強くなるのであれば、一度医療機関に相談してみましょう。
また、身体が歪んでいると、寝ているときや休憩している時でも筋肉が緊張し続けることになり、疲労が蓄積していきます。
疲労が蓄積した筋肉は、外からのダメージを受けやすく断裂や損傷する可能性が高くなります。
危険な頭痛やめまい
肩こりに慣れている人は、肩こりと共に頭痛が起こっても「肩凝ってるからしょうがないか…」と片付けてしまいがちです。
確かにひどい肩こりには頭痛がつきものですが、すべての頭痛を肩こりのせいにするのは危険です。
脳出血やくも膜下出血が起こっていると、激しい頭痛がします。
肩こりから引き起こされる頭痛は肩のコリをほぐすことで軽くなりますが、脳の病気の場合は肩こりを治療しても痛みに変化は見られません。
加えて、脳出血やくも膜下出血の頭痛は強烈な痛みが短時間で起こることが多く、そのまま意識不明になることもあるので注意が必要です。
手足の痺れ
頸椎椎間板ヘルニアで、神経が刺激されていると首や肩の痛みと共に手足の痺れが起きます。
脳の病気が原因で手足に痺れが生じることがあるため、痺れを感じたらまずは医療機関で精密検査を受けてください。
歯・顎の痛み
歯や顎の痛みを、肩の痛みと勘違いしてしまうケースもあります。
例えば、ひどい虫歯ができていると肩こりの症状も激しく感じることがあります。
また、歯の痛みのせいで肩に力が入り、筋肉が緊張状態になって肩こりが発症している可能性もあります。
顎の筋肉が硬くなっている顎関節症の人は、顎の筋肉の緊張が肩にまで広がって肩こりになってしまいます。
顎関節症は、姿勢が悪い人がなりやすいため姿勢が原因で肩の痛みが発生することもあります。
この場合、肩こりの治療に加えて、歯や顎の治療も必要になります。
重大な疾患が肩こりの裏に隠れている場合、早急に対処しなければ命にかかわります。
長く続く肩こりは、安易な自己判断はせず専門家にアドバイスを求めることが大切です。