寒いと悪化しやすい猫背
冬場になると姿勢が悪くなり猫背になる人や猫背が悪化する人が増加します。
街を見渡してみても、体を丸めて歩いている人がたくさん目に入ってきます。
肩こりや頭痛など様々な不調の原因となる猫背ですが、気温が低くなり寒さを感じるようになると猫背が悪化するのです。
では、なぜ寒さを感じると猫背が悪化するのでしょうか?
人間は外気温が下がると、本能的に体温が低下するのを防ごうと熱を体の中心部に集約させます。
なぜなら体の中心部には、心臓や肺、胃腸など生命を維持するために必要な器官が揃っているからです。
これらの器官が冷えると、機能が低下してしまう恐れがあります。
そのため、できるだけ体温を放散させないように体を丸めて冷えを防ぎます。
また、体を震わせて体温を上げるのも本能的な身体の働きです。
体を震わせるためには筋肉を使用しなければならず、身体に余計な負荷がかかって猫背がひどくなっていきます。
冬の間に悪化した猫背は、花粉症をはじめとするアレルギーの重症化の一因になることがあります。
今回は猫背と花粉症、そして花粉症対策についてご紹介していきます。
猫背と花粉症について
2月下旬から3月にかけて急激に患者数が増えるのが「花粉症」です。
花粉症の患者数は年々増加の一途をたどっており、日本人の2~3割の人が花粉症の自覚症状を感じています。
病院などを受診していない人の数を含めた場合、これよりも多い人数が花粉症になっていると予想されています。
さて、花粉症の主な原因は花粉を過剰に体内に取り込んだために起こる免疫反応です。
一見猫背とは無関係の症状のように思えますが、猫背による体の変化が花粉症を悪化させる一因になっている可能性は否めません。
花粉症を悪化させると考えられる猫背の症状として以下の3点が挙げられます。
消化器官の不調
猫背は、上半身が内側に丸まったような姿勢なので胃腸をはじめとする消化器官を圧迫します。
消化器官が圧迫されると、血流が滞って十分な栄養が腸内に行き渡らず調子が悪くなってしまいます。
消化器官、特に腸は人間の免疫細胞の半分以上が腸内にいるとされ、腸の状態が悪くなると免疫機能も不調になります。
花粉症は免疫機能の過剰反応がきっかけで起こる症状であり、腸の環境が整っていれば花粉症の症状が改善される可能性も十分にあります。
猫背を矯正すれば胃腸の圧迫がなくなり、腸が本来持つ機能を発揮できるようになるのです。
自律神経の乱れ
全身のバランスが崩れてしまう猫背は、胸部分を圧迫するため呼吸が浅くなりがちです。
すると脳を正常に機能させるために必要な脳髄液の流れが悪くなり、頭痛や気分の落ち込みなどが起こります。
この状態を放置すると、次第に自律神経が乱れていきます。
自律神経は、興奮状態の時に交感神経が活発に働き、リラックスしている時に副交感神経が活発に作用します。
しかし、自律神経が乱れるとこの働きが狂ってしまい、鼻水などが過剰に分泌されたり、免疫反応がおかしくなるといった花粉症の症状が出るのです。
血行不良
猫背になると体の筋肉が硬くなり、血管が収縮して血行不良になります。
血液は体を健康に保つために必要な栄養素を全身に運び、不要となった老廃物を体外に排出する働きをしています。
体内に入ったアレルギー物質を留めてしまうことにも繋がり、結果として花粉症の症状が重くなってしまうのです。
花粉症の悪化を防ぐために
花粉症がひどくなると、鼻水や喉の痛み・痒み、咳などが出てきますよね。
辛い花粉症の症状を和らげるためにできることをご紹介します。
入浴
入浴は発汗作用があり、余計な老廃物を排出することができます。
また、血行促進効果も期待できるので猫背によって悪化した血行を改善し、栄養素が全身に行き渡りやすくなります。
温かいお風呂にゆっくりと浸かれば、リラックス効果によって副交感神経が活発になり乱れた自律神経を整えてくれます。
猫背によって発生した肩こりや腰痛も、硬くなった筋肉をほぐすことで軽減することが可能です。
規則正しい生活
生活習慣の乱れは、アレルギー症状を悪化させる原因となります。
眠る時間、起床時間を一定にして規則正しい生活習慣を保つよう心がけましょう。
また、食生活も腸内環境を整えるために重要です。
脂っこい食事やお酒などを多量に摂取していると胃腸への負担が大きく、免疫機能も低下します。
毎日決まった時間に食事を摂り、ヨーグルトや納豆など腸に良いとされる食材を積極的に食事に取り入れてみましょう。
花粉の除去
花粉症の症状を悪化させないためには、可能な限り花粉を体内に入れないようにすることが重要です。
外出する時はマスクを着用することはもちろん、家の中に花粉を入れない工夫も行ってください。
外から帰ったら、専用のブラシや花粉除去スプレーで服や体に付着した花粉を極力排除します。
また、布団や洗濯物を干した時に花粉がつかないようにはらってから室内に取り込みましょう。
猫背は万病のもとと言われるように、そのまま放置するとさまざまな症状を引き起こします。
姿勢の悪さを自覚している人は、早めに対策を考えましょう。