急性と慢性の違い
様々な医療技術が発展した現代で、なかなか患者数が減っていかないのが腰痛です。
腰痛は、急性腰痛と慢性腰痛に分けて考えられます。
急性腰痛は、突然激しい痛みが起きてその場から動けなくなってしまうような腰痛のことを指します。
これに対し慢性腰痛は、動けないほどの強烈な痛みではないものの常に腰に違和感や痛みがある状態です。
急性腰痛の多くは、はっきりとした原因が分かっていて、早急に適切な治療を行えば症状は落ち着いていきます。
慢性腰痛のほとんどは痛みの原因がはっきりとわからないものが多く、回復の仕方も人それぞれなので治療に時間がかかります。
急性腰痛から慢性腰痛へと移行することもあるので、急性腰痛になったら無理をせず必ず完治させるようにしなければいけません。
日本人の2人に1人は、一生のうちに1回以上腰痛を経験します。
腰痛の発症に男女差はほとんどないため、誰しも腰痛になる可能性を持っているのです。
再発を繰り返す腰痛
腰痛は一度発症すると、再発しやすい症状のひとつです。
これは急性腰痛も慢性腰痛も同じで、一度でも腰痛になったことがある人は、一度も腰痛になったことが無い人に比べて5倍以上もの腰痛発症率になるというデータがあります。
また、再発した腰痛はその前の腰痛に比べて治療に時間がかかる可能性が高いこともわかっています。
つまり最初の腰痛が1週間で治ったとすると、次に再発した腰痛は治療に1週間以上かかる場合もあるということです。
以下のような理由で腰痛は再発しやすいのです。
●痛めた箇所に負担がかかりやすい
腰痛が起きるということはその部分に負荷がかかっていたということです。
その人の生活スタイルや体質によって、疲労が蓄積しやすい場所が決まってきます。
その状態が何週間も何カ月も続くと、負担に耐えられなくなって腰痛が起きるのです。
人間の生活スタイルというものはなかなか治せるものではありません。
たとえ腰痛が治ったとしても、毎日の姿勢や習慣、周りの環境が同じなら腰痛は高い確率で再発してしまいます。
●別の場所に負担がかかる
一度腰痛になると、無意識にその部分をかばうようになることがあります
すると他の部分に余計な負荷がかかるようになり、筋肉を余計に使うことになってしまうのです。
また、腰痛になった場所を極力動かさないようになってしまう人もいます。
筋肉を動かさないとその部分の血流は悪化し、筋肉の柔軟性も失われていくため、より腰痛が起こりやすい体になります。
●ストレスや不安が多い生活をしている
腰痛は、日常的にストレスや不安にさらされている人の方が起こりやすい傾向にあります。
不安感は身体を緊張状態にして、筋肉を固くする作用があります。
ストレスが多い環境を放置しておくと、腰痛の再発だけでなく他の疾患を併発する可能性も高いです。
環境を変えるかストレス発散方法を見つけるなどして、ストレスの多い状態を脱却しなければ腰痛は何度も再発してしまいます。