腰痛を繰り返す理由は
腰痛は、二足歩行をする人間ならではの症状です。
上半身の重みを支える腰は、重力の関係もあり非常に負担がかかりやすい場所なのです。
普通に立っているだけでも腰にある程度の負荷がかかっていますが、長時間同じ姿勢を続けたり、体が冷えると余計に筋肉が硬くなって痛みの原因となる疲労物質が溜まりやすくなります。
また、体重が重い人はそのぶん腰にかかる重力も大きくなるのでより腰痛が悪化しやすくなるのです。
腰痛の特徴として、再発が多いという事が挙げられます。
過去に一度でも腰痛になったことがある人は、何かあるたびに腰痛を繰りかえす傾向にあります。
腰痛は、生まれ持った素質も関係しますが、ほとんどの場合姿勢や生活習慣など後天的な要素が発症と深く関わっています。
腰痛を繰り返すのは、一度治ってもまた腰痛になる前と同じような生活を続けるためです。
腰痛になるという事は、それだけ腰に負担がかかる生活をしているという体からのサインなのです。
体からの危険信号に気付き、自分の生活の何が腰痛を招いているのかを突き止めて、それを改善していくことが腰痛の再発防止に繋がります。
ぎっくり腰の再発について
突然急激な腰の痛みが襲ってきて、動けなくなるほどになってしまう腰痛をぎっくり腰と言います。
漫画やドラマなどでぎっくり腰になる場面が描かれていることがありますが、本当に立っていられないほどの激しい痛みが出ます。
重い荷物を持つなどの急激な負荷が腰にかかることによって、筋肉の一部が損傷するのです。
ぎっくり腰も一度発症すると、治療が終わってから再び痛みが出ることも少なくありません。
慢性腰痛は、痛みはあるものの立ったり歩いたりといった動作は可能です。
これに対しぎっくり腰は、発症してからしばらくはほとんど動くことができず、通常の日常生活を送ることも困難になります。
短くても2~3日は寝たきりの状態が続きますし、普段の生活ができるようになるまでには2週間~1カ月程度の期間を要します。
ぎっくり腰を繰り返すたびに、1か月近く動けなくなる可能性があるのです。
このような事態を防ぐためにも、腰に負担がかからない生活を心がけましょう。
腰痛になりやすい人とは
腰痛になりやすい人には、以下にご紹介するような特徴があります。
同じ姿勢を続ける
長い時間同じ姿勢を続けると、筋肉を動かさないことになりますよね。
筋肉は動かさないと、柔軟性が失われて疲労物質が蓄積していきます。
この疲労物質の蓄積が、腰痛発症の大きな原因の1つでもあります。
また、同じ姿勢を続けていると同じ場所に負荷がかかり続けることになります。
これは、座っているのも立っているのも同様で、どんな姿勢でも長時間同じ姿勢であれば同じように負担がかかるのです。
腰痛を繰り返す人の多くは、このように同じ姿勢を長時間続ける生活をしているケースが多いです。
デスクワークや長距離トラックの運転手に腰痛持ちの人が多いのはこのためです。
荷物を運ぶ・持ち上げる
重い荷物を上げ下げする動作は、腰に大きな負担がかかります。
特に、低い所にある荷物を持ち上げる時に、腰を曲げて持ち上げようとするとぎっくり腰になる確率がぐっと上がります。
このような動作は、一瞬で腰に多大な負荷がかかるのでもともと腰が弱い人や慢性腰痛気味の人は避けた方が良いです。
もしも、荷物を持ち上げる必要がある時は、腰を落として持ち上げるようにしましょう。
体重が重い
体重が重いと、全身のバランスが崩れて余計な負荷が腰にかかります。
腰痛発症率が高くなる中高年以降は、代謝が落ちて肥満になりやすくなります。
特に、お腹周りに脂肪が付くことが多く、ぽっこりとお腹が出た体型になるのです。
お腹が出ていると、崩れた体のバランスを取るために腰を逸らす癖が付きます。
このような姿勢は、本来の人間に備わった自然なS字カーブが過剰なカーブになってしまい、腰椎への負荷が大きいのです。
運動習慣がない
人間の体は、骨のほかに筋肉で支えられています。
筋肉が十分に発達していない体は、骨だけで体の重みを支えることになります。
体を動かさない生活を続けていると、筋肉が衰えて無理な姿勢をするようになり、腰や背中に痛みが出てきます。
筋肉が衰えるとますます腰への負荷が増大し、痛みを抑えるために動かなくなり、さらに筋力が弱るという悪循環に陥るのです。
例えば、時間がある時に少し歩くようにしてみたり、腹筋や背筋を鍛えるなどの工夫をすることで筋力不足による腰痛悪化を防ぐことができます。
ストレスが多い環境
ある調査によると日常的にストレスを感じている人の方が、感じていない人よりも腰痛の発症率が高いという結果が出ています。
ストレスが多いと、健康な人よりも痛みを強く感じるようになります。
また、ストレスは自律神経を活発にさせて、体を緊張させる原因になります。
興奮作用のある交感神経が働いているせいで、体を休ませるときに活発になる副交感神経が上手く作用しなくなり、疲労を回復することができなくなってしまうのです。