いろいろなタイプの肩こり
肩こりは、肩周辺の血行不良により筋肉が柔軟性を失う、また筋肉疲労がスムーズに排出されなくなることで痛みが発生します。
運動不足や長時間のデスクワーク、スマートフォンの見過ぎが原因で現代人に肩こりが増えています。
肩こりは肩だけの問題だと思われがちですが、どの部位から発生したかによって原因や解消法が異なります。
肩こりには、以下のようなタイプがあります。
背中からくる肩こり
背中のこわばりが原因で発生する肩こりは、肩甲骨周辺の血行不良が問題です。
私たちは日常生活で肩甲骨を動かす機会が非常に少ないですよね。
下半身と違い、上半身はあまり動かさない人も多く、普段から意識して肩甲骨を動かさない限り、こりやすい部分でもあるのです。
肩甲骨のこりを放置しておくと、背中から肩にかけて広がっている僧帽筋という筋肉にまでこりが広がっていき、肩こりになります。
背中や肩甲骨のこりから発生している肩こりに関しては、肩をもんだり,マッサージしてもあまり効果が得られません。
それよりも肩甲骨を意識的に動かすようにしたり、肩甲骨をほぐすストレッチをした方が肩こり解消に有効です。
首からくる肩こり
人間の頭は、体重の10分の1程度の重さがあります。
つまり、約4~5kgの重さの頭を首が支えているのです。
健康な首には緩やかなカーブがあり、このカーブが首への負担を減らすクッションのような役割を担っています。
肩こりがひどい人や猫背の人は、このカーブが真っすぐになってしまっています。
真っすぐになると、頭の重みがダイレクトに首にのしかかり、過度な負担がかかります。
首周辺の血管や筋肉も圧迫されて、血流が悪化し、肩こりが悪化していくのです。
腕からくる肩こり
重い物を持ち上げる動作が多い人や長時間腕を同じ姿勢で固定している人は、手や腕に疲れが蓄積しやすいです。
手や腕の疲労が肩に伝わることで、肩こりが発生します。
また、手や腕にかかる負担をカバーするために、肩甲骨や肩の筋肉に負担がかかるため痛みが増幅します。
肩こりになりやすい人とは
身体に歪みがある
身体に歪みがあるという事は、全身のバランスが崩れているという事です。
筋肉のバランスも崩れて、本来使わないはずの筋肉にまで負担がかかるようになるのです。
また、身体が歪んでいると寝ているときや休憩している時でも筋肉が緊張し続けることになり、疲労が蓄積していきます。
疲労が蓄積した筋肉は、外からのダメージを受けやすく断裂や損傷する可能性が高くなります。
低血圧
低血圧の人は、血液を体に巡らせる力が弱く血行不良になりがちです。
そのため、低血圧の人は肩こりに悩まされている人が多い傾向にあります。
低血圧は体に新鮮な栄養や酸素が行きわたりにくいため、老廃物が蓄積されやすいのです。
肩こり以外にも、めまいや頭痛、不眠、疲れやすさなどを感じる人も多いです。
高血圧は、生活習慣病として問題視されることが多いですが、低血圧はあまり注目されません。
実は、低血圧に関しては明確な基準値が無く、血圧が低くても特に問題がなく過ごしている人もいます。
しかし、低血圧で体の不調を感じている場合は、できるだけ低血圧を改善する工夫をする必要があります。
そのためには、肩周辺の血行を促進させるだけでなく、全身の血の巡りを良くする方が効果的です。
簡単にできるウォーキングなどの全身運動を取り入れるだけで、血の巡りが良くなりますよ。
さらに、低血圧の人は自律神経が乱れがちになり、それが肩こり発症の一因となることもあります。
低血圧による肩こりを予防するためには、全身の血行を良くする運動を取り入れることが有効です。
ウォーキングや全身を使うストレッチなど、手軽に出来て継続しやすい運動をすることで肩こりが解消する可能性もあります。
冷え性
冷え性の人は、全身の血の巡りが悪いため肩周辺も血行不良になりやすく、肩こりに悩まされている人が多いです。
また、人間は冷えを感じると体に力が入り、体温を上げるために体を震わせます。
すると筋肉の緊張状態が続き、肩こりになりやすくなるのです。
これを防ぐためには、できるだけ体を冷やさないようにすることが大切です。
気温の変化に対応できる服装を心がけ、入浴はシャワーで済ませるのではなくきちんと湯船に浸かるようにしましょう。
なで肩の人
なで肩とは、普通よりも肩が下に下がっている体型のことを指します。
日本人はなで肩の人が多く、それが日本人に肩こり患者が多い理由のひとつと考えられます。
なぜなで肩の人は肩こりになりやすいのでしょうか?
なで肩は、普通の肩よりも肩の傾斜が大きく、僧帽筋という筋肉に負荷がかかりやすいのです。
首から肩、背中にかけて広がっている僧帽筋が緊張して硬くなると、肩こりが引き起こされます。
上半身の後ろ側の大半を占めるこの筋肉は、日常のさまざまなシーンで使われるので、疲労が蓄積されやすい部分でもあるのです。
ただでさえ疲労が溜まりやすい僧帽筋ですが、なで肩の人はさらに疲労物質が蓄積しやすいため肩こりの発症率が上がります。
肩こりはどんな人でも発症する可能性がある症状のひとつですが、肩こりになりやすい人は特に日常生活でのケアが重要になります。
ひどい肩こりには、肩こり以外の疾患が隠れている可能性もあるので、長期間症状が改善されない場合は医療機関を受診しましょう。