朝起きたときがいちばん痛い?
肩こりは、その日の体調や天気によって症状が変化します。
日によっての変化だけでなく、一日の中でも肩こりがひどい時間とそうでもない時間が出てくることがあります。
夕方から夜にかけて、日常的に肩のコリを感じている人も多いのではないでしょうか?
この時間は、一日で蓄積した疲れがどっと出てくる時間帯なので肩こりの症状が出てきやすいのです。
一方で、朝起きたときに最も肩こりがひどくなるという人もいますよね。
なぜ睡眠をとって疲労が回復しているはずの起床時に痛みがひどくなるのでしょうか?
これには睡眠の質と寝相が深く関係しています。
睡眠の質について
しっかりと疲労を回復し、健康な体を維持するためには十分な睡眠時間をとることはもちろん、睡眠の質にも注目する必要があります。
まずは自分の睡眠の質をチェックしてみましょう。
・ベッドに入ってから眠りにつくまで1時間以上かかる
・睡眠時間にムラがある
・眠っている間に何度も目が覚める
・毎朝、目覚めが悪い
・特に理由は無いのにイライラしたり、集中が途切れたりする
・日中に過剰な眠気を感じることが数回あり、その状態が続いている
・日中に頭が働いていないと感じることが頻繁にある
上記の項目にひとつでも当てはまる場合は、良好な睡眠がとれているとは言い難いです。
では、どうすれば睡眠の質を向上させることができるのでしょうか?
良質な睡眠を確保するためには、次のような方法があります。
寝る前にスマホやパソコンを見ない
寝る直前までスマホやパソコンを見続けている人も多いですよね。
しかし、最近の研究でスマホやパソコンの画面から出るブルーライトが人間の眠りを妨げる恐れがあることが分かっています。
人間の体は一日のリズムを太陽の光を感じることでコントロールしています。
太陽の光を感じると「朝だから起きよう」と思いますし、夜になると「暗くなってきたから眠ろう」という信号が送られます。
スマホやパソコンでブルーライトの光を見続けていると、体が昼間だと錯覚して目が覚めてしまうのです。
また、画面からいろいろな情報が入って来ると脳が興奮してしまいます。
脳が興奮状態になると、リラックスする時に働く副交感神経が作用しなくなり、代わりに交感神経が活発に働いて体を休めることが難しくなります。
眠る前に水を飲む
人間は睡眠中も汗をかきます。
個人差はあるものの、一晩で約500ml~1ℓ程度の汗をかくので、水分不足を防ぐためにも就寝前にコップ1杯程度の水を飲んでおきましょう。
睡眠中に脱水になると、脳が水分不足の寝具を出すので睡眠が浅くなったり、睡眠中に目が覚めることになります。
また、脱水症状のひとつとして就寝中に足がつるなどの問題が起きることもあります。
一方で水分を摂りすぎると、夜中に尿意をもよおす可能性があるので注意が必要です。
寝室を快適な空間にする
寝室がリラックスできる空間でないと、安眠することができません。
例えば、物が散乱していたり、掃除ができていなくて埃が溜まっていたりすると、快適な空間とは言えませんよね。
寝室に一番大切なのは清潔感です。
余計なものを置かず、すっきりとした部屋を目指しましょう。
間接照明を工夫したり、寝具を自分に合ったものに変えるのも睡眠の質を上げるのに効果的ですよ。
「眠らなければいけない」と思わない
実は睡眠不足は、その人の思い込みによる影響も大きいです。
実際には眠れているにもかかわらず、本人が「眠れていない」「睡眠不足だ」と感じていると、その思い込みがさらに体に悪影響を与えて本当に睡眠不足になります。
寝つきが悪い人が「早く眠らなければいけない」とプレッシャーをかけるのも逆効果です。
無理に眠ろうとすると、体が緊張して交感神経が活発になるのでますます眠れなくなります。
眠れない時は、無理に「早く眠らなければいけない」と思う必要はありません。
目をつむっているだけでも体や脳の回復効果は期待できます。
どうしても眠れない場合には、あえて起きて気分転換になるようなことをするという方法もあります。
温かい飲み物を飲んだり、好きな音楽を聴くだけでも副交感神経が刺激されて眠くなることがありますよ。
寝相と肩こりについて
寝起きに肩こりがひどくなる理由のひとつに寝相の悪さが挙げられます。
人間は寝ているときに、その日に溜め込んだ疲労を回復し、体の歪みやコリを取り除きます。
しかし、寝ている時の姿勢が良くないと睡眠中も筋肉に負担がかかり、余計にコリを悪化させる恐れがあるのです。
意外と多いのがうつ伏せで眠る人です。
うつ伏せで眠ると、胸が圧迫されて呼吸が浅くなり、首を無理な方向に曲げて眠るので肩や首に大きな負担となります。
寝起きに首が痛い人は、うつ伏せで寝ている可能性が高いです。
疲れの蓄積と共に肩こりも治りづらくなり、常に疲労と肩こりに悩まされるようになってしまう危険性があります。
さらに、両手を上に挙げて眠る人も要注意です。
起きているときに両手を上げてみてください。
しばらくすると腕が疲れてきますよね?
この状態で何時間も眠っていると、当然腕や肩の筋肉に負荷がかかり、肩こりを引き起こします。
四十肩・五十肩のリスクも増大するので、腕を上げて眠る癖がある人は気を付けましょう。