女性ホルモンの働きについて
女性ホルモンとは、その名の通り女性が女性らしくあるために必要なホルモンのことです。
女性にしか無いホルモンだと考えている人もいますが、男性にも女性ホルモンの分泌はあります。
女性ホルモンはプロゲステロンとエストロゲンがあり、これらのホルモンが一定のサイクルで分泌されることによって女性の体の機能が果たされます。
女性ホルモンの最大の役割は、妊娠・出産をすることです。
妊娠・出産のためには、出産に耐えうる十分な体力と丈夫な体が必要になるため、女性ホルモンは健康な体を保つためにも必要なのです。
ホルモンのバランスが整い、分泌量のサイクルが安定していれば妊娠しやすい健康的な身体であるという事もできます。
エストロゲンとプロゲステロンには、以下のような働きがあります。
エストロゲン
エストロゲンは別名卵胞ホルモンとも言い、女性らしい体をつくる役割を果たします。
具体的には、
・胸の発達
・体全体の丸み
・肌のうるおい、キメ、艶を保つ
・柔らかい肌
といった女性らしさを感じる外見を作るためには、エストロゲンが欠かせません。
また、外見以外への働きとして卵巣に精子が着床しやすいように子宮内膜を分厚くするといった妊娠しやすい体づくりや骨や血管を丈夫にする自律神経を整えるといった働きがあります。
エストロゲンは、生理が終わる頃から排卵前に多く分泌されるホルモンです。
エストロゲンの分泌量が増えている時期は、比較的体調が良くなるケースが多く、肌や精神も安定する傾向にあります。
プロゲステロン
プロゲステロンは、黄体ホルモンと呼ばれる女性ホルモンです。
プロゲステロンは、受精卵の着床を促すために子宮内膜を分厚くし、妊娠後の子宮内の環境を整えるといった「妊娠のためのホルモン」という一面があります。
生理が終わると分泌量は減少しますが、妊娠した場合はそのままプロゲステロンが分泌され続けて出産に向けた体づくりを助けます。
排卵後から生理後まで分泌されるホルモンで、分泌量が多いと月経前症候群(PMS)を引き起こしたり、生理期間中にイライラする、肌荒れがひどくなることもあります。
逆に分泌量が少ないと、生理周期が不安定になり受精卵が着床しにくい不妊症や妊娠状態を維持できない不育症になる恐れがあります。
女性ホルモンが乱れる理由
女性ホルモンが乱れるという事は、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が正常な状態ではない状態を指します。
健康な体を維持するために必要不可欠なホルモンの分泌が狂ってしまうと、身体にさまざまな不調が現れるようになります。
では、なぜホルモンバランスが乱れてしまうのでしょうか?
実は人間のホルモンは非常に繊細で、ちょっとした環境や体調の変化の影響を受けてしまうのです。
以下に挙げるような理由でホルモンバランスは乱れます。
・カフェインを頻繁に摂取する
・生活サイクルが不安定
・睡眠時間が短い
・一日三食の食事を摂らない
・喫煙している
・人間関係のストレスを抱えている
・ストレス発散方法が無い
・飲酒量が多い
・運動する機会が極端に少ない
・高カロリーなお菓子や揚げ物を好んで食べる
・更年期(40代以降)
このような行動や習慣に心当たりがある人も多いですよね。
不規則な生活習慣や食生活、ストレスの多い生活、更年期などが原因となってホルモンのバランスが崩れていきます。
ホルモンの乱れと肩こりの関係
ホルモンバランスの乱れで特に身体の不調を感じるのは、エストロゲンの減少によるところが大きいです。
エストロゲンは、血流を促し、身体を外見・内面ともに美しくする働きをします。
また、精神を安定させ、明るく楽しい気持ちにしてくれる神経伝達物質であるセロトニンの量はエストロゲンの分泌量と比例します。
そのためエストロゲンの分泌量が減少すると、必然的にセロトニンの量も減少し、リラックスできない・安眠できない・不安や暗い気持ちになることが多くなるといった症状が出てきます。
エストロゲンの分泌量が減ることによって、血流が悪くなり筋肉に溜まった疲労物質を排出しにくくなります。
また、冷えやすくなるのでますます血行が悪化して、筋肉が硬くなっていくという悪循環にも陥ります。
セロトニンが減少する影響で、ストレスや緊張をうまく解消できなくなることも肩こりが重症化する要因となります。
睡眠不足にも陥りやすくなり、身体の疲労を十分に回復できない日々が続いてしまうのでさらに肩こりは悪化の一途をたどることになります。
特に、更年期に入るとエストロゲンの量が急激に減少することも少なくありません。
これにより、更年期特有の体温調節能力の低下や、イライラ、不安感といった症状に悩まされるのです。
ホルモンバランスと整えるために
乱れたホルモンのバランスを整えるためには、規則正しい生活習慣を身につけることがとても重要です。
食事時間と睡眠時間を一定に保つだけでも、ホルモンが正常に分泌されるようになる可能性があります。
また、食生活には女性ホルモンに近い働きをすると言われる大豆イソフラボンを取り入れるのがおすすめです。
豆腐や納豆、大豆製品を積極的に摂取しましょう。
簡単な方法としては、足湯も効果的です。
女性ホルモンの乱れによって悪くなった血行を促進し、全身を温めるうえにリラックス効果も期待できます。
40度程度のお湯をふくらはぎまで浸かれる大きさのバケツに張り、10~20分ほど足湯をしてみましょう。
肩こりは重症化すると、頭痛や吐き気を伴うこともあり非常に辛いです。
悪化を防ぐ為にも早めに対処したいですね。