お尻のコリ=お尻の筋肉が固まっている
肩がこる、首がこるとはよく耳にしますが、お尻もこることは皆さんご存知でしょうか?
お尻は柔らかい場所というイメージですが、奥には大小9種類の筋肉が存在し、立つ、座る、歩く、走る、寝る、足を開く、閉じる、伸ばす、曲げるなど様々な場面でそれぞれが役割を果たしています。
お尻の筋肉が固まるとそこで血流が遮断されて、上半身と下半身の血行が悪くなり冷え性が慢性化しやすくなります。
腰の周りを治療しても腰痛が一向に改善されない場合、その近くにあるお尻のコリについて考えてみてはいかがでしょうか。
固まったお尻の筋肉に引きずられて腰が柔軟性を失っていることは十分に考えられます。
お尻のコリが引き起こす様々な症状
自律神経の乱れ
お尻にある9種類の筋肉の中でも、坐骨神経の近くを通っている梨状筋という筋肉がコリやすくなると、下半身の血流のコントロールができなくなります。
坐骨神経には交感神経が通っていますので、オンとオフの切り替えができなくなり、寒いのに足に汗をかくなど体の中で矛盾した症状が出る時は要注意です。
自律神経は首の横を通っていることは広く知られていますが、お尻も関係しているとはなかなか気づかないものです。
ヘルニアが疑われるほどの強い腰痛
上述のように坐骨神経が圧迫されるほどお尻のコリが取れなくなると、腰に鋭い痛みを感じることがあります。
ヘルニアであればレントゲン検査などの精密検査で判明されますが、筋肉のコリから来る腰痛は湿布などの貼り薬を処方されて様子を見る場合が多いです。
お尻に原因があるのに腰を手当てしても改善されないのは、当たり前と言えば当たり前ですよね。
下半身が太りやすい
筋肉が固まるということは、運動しても燃焼されないということですから、必然的に代謝が悪くなり下半身や背中などが太りやすくなります。
またお尻は脂肪も多い場所ですから、筋肉が劣化するとお尻を支えることが難しくなり、お尻も垂れやすくなります。
太ももとお尻の境目がなくなってきた・・・というようなお悩みの方は、お尻のコリを解消しておくのがおすすめです。
お尻のコリが取れない悪い習慣
①1日中座りっぱななし、もしくは立ちっぱなし
座り続けている時、立ち続けている時、お尻の筋肉は休んでいるのかというとそうではなく、ずっと緊張状態を余儀なくされていると思ってください。
正座を長時間していると痺れとして表れますが、お尻には何の症状も出ません。
つい見落とされがちですが、1日中同じ姿勢をしている時は筋肉疲労が蓄積されています。
②急な激しい運動
運動不足の身体に急に激しい運動をすると、身体の様々な箇所が筋肉痛になりますよね。
大殿筋や中殿筋といったお尻の中でも大きな筋肉はわかりやすく筋肉痛になりますが、他の小さな筋肉は急な激しい運動の後には収縮作用を中断し縮んだままになってしまいます。
その時に周りの血管やリンパなどを圧迫して流れを阻害するので、下半身が浮腫むようになります。
③運動不足
急な激しい運動が体に負担とならないように、日頃から全身運動を続けておくことが大切です。
お尻に限らず筋肉にとって理想的なのは、伸ばす・縮める・休める、のバランスが良い状態が続くことです。
運動不足は股関節の柔軟性を低下させ、可動域が狭くなるので、よく転ぶ、怪我が増えるなどの要因にもなります。
④歩く姿勢が悪い
足に合わない靴や、巻き爪、外反母趾など足に疾患がある時、身体に無理のある歩き方になってしまいます。
その時に疲れが出やすい場所は人それぞれで、ふくらはぎが張りやすい人もいれば、足の裏に疲れが出る人もいます。
同じように、お尻の筋肉が必要以上に酷使されて疲れてしまうことがあるのです。
お尻のコリと腰痛を感じたら
腰痛を自分で完治させるのが難しいように、お尻のコリもセルフケアには限界があります。
治療よりもストレッチで緩める方が効果的な場所であり、どの筋肉が凝っているかによって適切なストレッチ方法が変わってきます。
自宅でもケアをしていきたい人は、専門家の指導を仰ぎ、間違った方法でストレッチをして悪化させることのないように気をつけてくださいね。
接骨院でも、骨格や姿勢の調整の前に、トリガーポイントなる場所の治療やストレッチを行っていきます。
そうしておくことで、その後の施術が効果的なものとなり、股関節の可動域も見違えるように広がります。
施術後は、今までに滞っていた血流が流れることから眠気を感じたり場合によっては頭痛を感じたりすることもあります。
安静にしていておさまるようであれば問題ありませんが、数日に渡り続く時は他の箇所の歪みも調整する必要が出てくることがあります。
身体は全て繋がっていますので、原因を一つひとつ改善して、悩みのない生活を取り戻しましょう!